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アミノ酸 Lv.A

メラトニン

Melatonin

最終更新: 2025-02-22 参考文献: 7件

📋 クイックサマリー

時差ぼけ・入眠困難に対して最も証拠のある睡眠サプリ。低用量(0.5〜1mg)が効果的で依存性なし。スポーツパフォーマンスより睡眠改善が主な用途。

おすすめ度
推奨用量 0.5〜3 mg(就寝30〜60分前)。高用量(5〜10mg)は効果増加しないことが多い
タイミング 就寝30〜60分前。時差ぼけには現地の就寝時刻に合わせて摂取
主な効果
入眠時間短縮 時差ぼけ解消 概日リズム調整

⚠️ 注意点

  • 日本では医薬品扱い(処方箋不要だが薬局で販売)。海外では食品サプリ
  • 翌朝の眠気・頭痛の報告あり(高用量で多い)
  • 自己免疫疾患・てんかん・抗凝固薬使用者は医師に相談
  • 長期使用での内因性メラトニン産生への影響は不明

📊 エビデンスマトリクス

入眠時間の短縮 Lv.A

就寝前の低用量メラトニン(0.5〜3mg)で入眠時間を有意に短縮。睡眠薬ほどではないが副作用が少ない

効果: 中程度(平均7〜12分短縮) 研究数: 35件
時差ぼけ(ジェットラグ)の軽減 Lv.A

複数タイムゾーン移動後の概日リズム再同期に強いエビデンス。東向き渡航で特に効果的

効果: 大(最も効果的な対処法) 研究数: 20件
概日リズム障害の改善 Lv.A

夜間シフトワーカー・睡眠相後退症候群(夜型体質)への有効性が確立

効果: 中程度 研究数: 15件
睡眠の質・総睡眠時間向上 Lv.B

主観的睡眠の質・総睡眠時間のわずかな改善。高齢者で特に効果的(内因性メラトニン産生が低下するため)

効果: 小〜中程度 研究数: 25件
運動後回復・筋損傷軽減 Lv.C

抗酸化作用を介した運動誘発性筋損傷軽減の予備的エビデンス

効果: 研究数: 5件

エビデンスレベルの定義はこちら →

概要

メラトニンは脳の松果体から分泌されるホルモンで、体内時計(概日リズム)の調節に中心的な役割を果たします。夜間(暗くなると)分泌が増加し、睡眠への移行を促します。

日本における法的位置づけ: メラトニンは日本では医薬品として分類されており、通常の食品サプリとしては販売できません。ただし個人輸入や一部の薬局での取り扱いがあります。海外(米国・欧州)では一般的な栄養補助食品として広く流通しています。

作用メカニズム

メラトニンはMT1・MT2受容体に作用し、概日リズムを調整します。MT1受容体への作用が急性の眠気誘発、MT2受容体への作用が位相シフト(体内時計の調整)に関与します。

また、強力な抗酸化物質としても機能し、フリーラジカルを直接消去します。

エビデンスの詳細

時差ぼけ

Herxheimer & Petrie(2002)のCochraneレビュー(9件のRCT)では、メラトニンが時差ぼけの軽減に明らかな効果があると結論付けています。特に5つ以上のタイムゾーンを超える東向き渡航で効果が顕著。現地の就寝時刻の2〜3日前から摂取を開始すると有効です。

入眠時間・睡眠の質

Ferracioli-Oda et al.(2013)のメタアナリシス(19件のRCT)では、メラトニン補給が入眠潜時を平均7.06分短縮、総睡眠時間を8.25分延長、睡眠の質を有意に改善することを示しました。

高齢者への効果

加齢とともに内因性メラトニン産生は著しく低下します。Brzezinski et al.(2005)のレビューでは、高齢者への低用量メラトニン(0.1〜0.3mg)補給が特に効果的であることが示されています。

研究の限界点

  • 最適な用量・タイミングに関するコンセンサスが十分でない
  • 長期使用の安全性データが限られる
  • 研究間で使用用量に大きなばらつき(0.1〜100mg)

用量・タイミング

  • 入眠困難: 0.5〜3 mg(就寝30〜60分前)
  • 時差ぼけ(予防): 0.5〜5 mg(現地の就寝時刻に摂取。渡航前日〜到着後数日間)
  • シフトワーク: 0.5〜3 mg(次の睡眠時間の開始前)
  • 高齢者: 0.1〜0.5 mgの低用量から開始
  • 重要: 高用量(5mg以上)は効果がより大きいとは限らない。むしろ翌朝の眠気リスクが増す

安全性・副作用

  • 短期使用: 概ね安全。副作用は頭痛・眠気・悪心(いずれも軽微)
  • 依存性: 身体的依存はない(睡眠薬と異なり習慣性なし)
  • 翌朝の眠気: 高用量(5mg以上)で起きやすい。低用量(0.5〜1mg)では少ない
  • 薬物相互作用: 抗凝固薬(ワーファリン)・免疫抑制薬・糖尿病薬との相互作用の可能性

よくある質問

Q: 毎日飲み続けても大丈夫ですか? A: 短期〜中期(数週間)の使用は安全性が確認されています。長期使用(数ヶ月以上)については、内因性メラトニン産生への影響が理論的に懸念されますが、現時点では明確な証拠はありません。使用は最小限の期間・用量に抑えることを推奨します。

Q: スポーツのパフォーマンスに使えますか? A: 直接のパフォーマンス向上効果よりも、睡眠の質を改善することで間接的にリカバリーや翌日のパフォーマンスを支援します。試合前夜の緊張による不眠には有用な場合があります。

参考文献

  1. Herxheimer A, Petrie KJ. (2002). Melatonin for the prevention and treatment of jet lag. Cochrane Database of Systematic Reviews, (2), CD001520.
  2. Ferracioli-Oda E, et al. (2013). Meta-analysis: melatonin for the treatment of primary sleep disorders. PLOS ONE, 8(5), e63773.
  3. Brzezinski A, et al. (2005). Effects of exogenous melatonin on sleep: a meta-analysis. Sleep Medicine Reviews, 9(1), 41-50.
  4. Auld F, et al. (2017). Evidence for the efficacy of melatonin in the treatment of primary adult sleep disorders. Sleep Medicine Reviews, 34, 10-22.
  5. Costello RB, et al. (2014). The effectiveness of melatonin for promoting healthy sleep. Nutrition Journal, 13, 106.
  6. Claustrat B, Leston J. (2015). Melatonin: physiological effects in humans. Neurochirurgie, 61(2-3), 77-84.
  7. Reiter RJ, et al. (2016). Melatonin as an antioxidant: under promises but over delivers. Journal of Pineal Research, 61(3), 253-278.