アシュワガンダ
Ashwagandha
📋 クイックサマリー
アダプトゲンとして最も研究されたハーブの一つ。ストレス軽減・睡眠改善・テストステロン向上・筋力向上に中程度のエビデンス。
⚠️ 注意点
- • 自己免疫疾患の方は注意
- • 甲状腺疾患の方は医師に相談
- • 妊娠中は使用しない
- • 標準化エキスを選ぶこと(品質管理)
📊 エビデンスマトリクス
| 効果 | エビデンスレベル | 効果の大きさ | 研究数 |
|---|---|---|---|
| コルチゾール低下・ストレス軽減 複数のRCTでストレス・不安スコアの改善とコルチゾール低下を確認 | Lv.B | 中程度 | 12件 |
| テストステロン向上(男性) 主に不妊男性・トレーニング実施者でのRCT。効果量は中程度 | Lv.B | 小〜中程度 | 8件 |
| 筋力・筋肉量向上 抵抗トレーニングとの組み合わせで、プラセボより有意な筋力・筋肉量増加 | Lv.B | 中程度 | 6件 |
| 睡眠の質向上 複数のRCTで睡眠スコアの改善 | Lv.B | 小〜中程度 | 8件 |
| 持久性パフォーマンス向上 VO₂maxのわずかな改善を示す研究あり | Lv.C | 小 | 5件 |
複数のRCTでストレス・不安スコアの改善とコルチゾール低下を確認
主に不妊男性・トレーニング実施者でのRCT。効果量は中程度
抵抗トレーニングとの組み合わせで、プラセボより有意な筋力・筋肉量増加
複数のRCTで睡眠スコアの改善
VO₂maxのわずかな改善を示す研究あり
概要
アシュワガンダ(Withania somnifera)はアーユルヴェーダ医学で数千年使用されてきたインド原産のハーブです。「アダプトゲン」(ストレスへの適応力を高める植物)の代表格として、近年科学的研究が急増しています。
KSM-66やSensorilなどの標準化エキスが最も研究されており、品質が安定しています。
作用メカニズム
アシュワガンダの主要活性成分はウィサノリド類(ステロイドラクトン)です。これらが:
- HPA軸(視床下部-下垂体-副腎軸)を調節してコルチゾール分泌を抑制
- GABA受容体への作用により抗不安効果
- ライディッヒ細胞のLH受容体感受性向上によりテストステロン産生促進
- 抗酸化・抗炎症作用
エビデンスの詳細
ストレス・コルチゾール
Chandrasekharら(2012)のRCTでは、KSM-66(300mg×2/日)が慢性ストレスを持つ成人でコルチゾールを28%低下、ストレス・不安スコアを有意に改善しました。
筋力・筋肉量
Wangnerら(2015)のRCTでは、アシュワガンダ(300mg×2/日、8週間)がレジスタンストレーニングと組み合わせた場合、上腕二頭筋・大腿四頭筋の筋力とサイズがプラセボより有意に増加。
テストステロン
複数のRCTで、アシュワガンダ補給が血清テストステロンを10〜20%程度増加させることが示されています。特に男性不妊・ストレスが高い男性でより明確な効果。
睡眠
Langadeら(2019)のRCTでは、アシュワガンダエキス(300mg×2/日、10週間)が睡眠潜時・睡眠効率・起床時の疲労感を有意に改善。
研究の限界点
- 多くの研究がメーカー資金提供
- 研究期間が8〜12週と短め
- 長期安全性データが少ない
用量・タイミング
- 推奨用量: 標準化エキス(KSM-66・Sensoril)300〜600 mg/日
- タイミング: 睡眠・ストレス目的なら就寝前。筋力・テストステロン目的ならトレーニング前
- 効果発現: 4〜8週間の継続摂取で効果が現れることが多い
安全性・副作用
一般的な使用量では安全性が高い。
- 消化器症状: 高用量で胃腸障害(稀)
- 甲状腺ホルモン: T3・T4を増加させる可能性。甲状腺疾患のある方は注意
- 自己免疫疾患: 免疫調節作用があるため、自己免疫疾患のある方は医師に相談
- 妊娠中: 子宮収縮誘発の可能性があるため使用しない
相互作用
- 甲状腺薬: 相互作用の可能性
- 免疫抑制剤: 免疫調節作用による相互作用の可能性
- 鎮静剤・睡眠薬: 相加的な鎮静効果
よくある質問
Q: KSM-66とSensorilはどちらが良いですか? A: KSM-66は主にウィサノリドの高含量(≥5%)が特徴で、パフォーマンス・テストステロン研究が多い。Sensorilはより穏やかで、ストレス・睡眠研究が中心。どちらも高品質ですが、目的に応じて選択。
Q: すぐに効果が出ますか? A: 多くの研究では4〜8週間で有意な効果が現れています。即効性は期待しないことが重要です。
参考文献
- Chandrasekhar K, et al. (2012). A prospective, randomized double-blind, placebo-controlled study of safety and efficacy of a high-concentration full-spectrum extract of ashwagandha root. Indian Journal of Psychological Medicine, 34(3), 255-262.
- Wankhede S, et al. (2015). Examining the effect of Withania somnifera supplementation on muscle strength and recovery. Journal of the International Society of Sports Nutrition, 12, 43.
- Ambiye VR, et al. (2013). Clinical evaluation of the spermatogenic activity of the root extract of Ashwagandha. Evidence-Based Complementary and Alternative Medicine, 2013, 571420.
- Langade D, et al. (2019). Efficacy and safety of Ashwagandha root extract in insomnia and anxiety. Cureus, 11(9), e5797.
- Pratte MA, et al. (2014). An alternative treatment for anxiety: a systematic review of human trial results reported for the Ayurvedic herb ashwagandha. Journal of Alternative and Complementary Medicine, 20(12), 901-908.
- Sandhu JS, et al. (2010). Effects of Withania somnifera on physical performance. Journal of the International Society of Sports Nutrition, 7, 40.
- Smith SJ, et al. (2021). Examining the effects of herbs on testosterone concentrations in men: a systematic review. Advances in Nutrition, 12(3), 744-765.