EviSupple
アミノ酸 Lv.A

クレアチン

Creatine

最終更新: 2025-02-22 参考文献: 8件

📋 クイックサマリー

スポーツ栄養学で最もエビデンスが確立されたサプリメント。筋力・筋肉量・高強度パフォーマンス向上に確実な効果あり。

おすすめ度
推奨用量 3〜5g/日(メンテナンス)
タイミング タイミングは比較的自由。トレーニング日はトレーニング後が若干有効
主な効果
筋力向上 パワー出力増加 筋肉量増加 高強度運動パフォーマンス向上

⚠️ 注意点

  • 水分をしっかり摂取すること
  • 腎疾患がある方は医師に相談
  • ローディングは必須ではない

📊 エビデンスマトリクス

筋力・パワー出力向上 Lv.A

スポーツ栄養学で最もエビデンスが強いサプリメントの一つ

効果: 中程度(5〜10%) 研究数: 100件
除脂肪筋肉量増加 Lv.A

筋トレと組み合わせることで有意な筋肉量増加

効果: 中程度 研究数: 50件
高強度運動のパフォーマンス向上 Lv.A

短時間の爆発的な運動(スプリント・重量挙げ等)で効果

効果: 中程度 研究数: 70件
認知機能・脳への効果 Lv.C

睡眠不足や菜食主義者で効果を示す研究あり。一般集団では不明瞭

効果: 小〜中程度(睡眠不足時) 研究数: 10件

エビデンスレベルの定義はこちら →

概要

クレアチンは体内(主に筋肉)に自然に存在するアミノ酸誘導体で、赤身肉や魚にも含まれています。スポーツ栄養学の分野で最も研究が進み、最もエビデンスが確立されたサプリメントの一つです。

ISSNのポジションステートメントでは「現在利用可能なパフォーマンス向上栄養補助食品の中で最も効果的」と評されています。

作用メカニズム

筋肉内に貯蔵されたクレアチンリン酸(PCr)は、ADP(アデノシン二リン酸)を素早くATP(アデノシン三リン酸)に再合成します。ATPは筋収縮の直接エネルギー源です。

クレアチン補給により筋肉内のクレアチンリン酸貯蔵量が約20%増加し、特に10〜30秒の短時間高強度運動におけるエネルギー供給が改善されます。

エビデンスの詳細

筋力・パワー向上

100件以上のRCTを含む複数のメタアナリシスで、クレアチン補給が筋力を平均5〜10%、筋肉量を約1〜2kg増加させることが示されています(Lanhers et al., 2017)。

長期的な筋肥大

筋トレとの組み合わせで、筋肉量増加はプラセボ群より有意に大きいことが複数の研究で示されています。この効果は筋クレアチン貯蔵量の増加→より高いトレーニング容量→タンパク合成促進という機序によるとされています。

高強度間欠性運動

スプリント、サイクリング、重量挙げなど、短時間の爆発的な運動で効果が最も顕著です。持久性運動(長距離ランニング等)への効果は限定的です。

研究の限界点

  • 「ノンレスポンダー」(効果が現れない人)が約30%存在する
  • 菜食主義者ではより大きな効果が期待できる(食事からのクレアチン摂取が少ないため)
  • 超高齢者・小児での長期安全性データは限られている

用量・タイミング

ローディングなし(推奨):

  • 3〜5g/日を継続摂取
  • 筋クレアチン飽和まで約4週間

ローディングあり:

  • 20g/日(5g×4回)を5〜7日間
  • その後3〜5g/日でメンテナンス
  • より速く効果が現れるが、胃腸障害のリスクがある

タイミング: トレーニング日はトレーニング後の摂取がやや有効という研究あり(Antonio & Ciccone, 2013)。ただし、毎日継続することの方が重要。

形態: クレアチンモノハイドレートが最も研究されており、コストパフォーマンスも最高。エチルエステルなど他の形態は優位性が証明されていない。

安全性・副作用

20年以上の研究で、健康な成人における安全性が確立されています。

  • 水分貯留: 筋肉内の浸透圧変化により体重が0.5〜1kg増加することがある(脂肪ではなく水分)
  • 胃腸障害: ローディング時(20g/日)に稀に発生。5g以下の単回摂取では問題なし
  • 腎臓: 健康な人では問題なし。腎疾患がある方は医師に相談
  • クレアチニン上昇: 血液検査でクレアチニンが若干上昇することがあるが、腎機能を反映するものではない

相互作用

  • プロテイン: 組み合わせで相加的な筋肥大効果
  • カフェイン: 一部の研究では相互作用(効果を打ち消す)を示すが、現在の証拠は一貫していない
  • インスリン: 炭水化物と同時摂取でクレアチン取り込みが若干促進される

よくある質問

Q: ローディングは必要ですか? A: 必須ではありません。ローディングなしでも4週間程度で同等の効果が得られます。副作用リスクを避けたい場合はローディング不要です。

Q: 休薬期間は必要ですか? A: 科学的根拠はありません。継続的な長期使用でも安全性が確認されており、休薬は不要です。

Q: クレアチンモノハイドレート以外(HCL等)は効果が高いですか? A: 現時点では、モノハイドレートと比べて明確な優位性を示したエビデンスはありません。コストが高く、根拠の薄いマーケティングに注意が必要です。

Q: 女性にも効果がありますか? A: はい。女性でも筋力・筋肉量への効果が確認されています。ただし男性より効果がやや小さいという研究もあります。

参考文献

  1. Lanhers C, et al. (2017). Creatine supplementation and lower limb strength performance: A systematic review and meta-analyses. Sports Medicine, 47(1), 163-173.
  2. Rawson ES, Volek JS. (2003). Effects of creatine supplementation and resistance training on muscle strength and weightlifting performance. Journal of Strength and Conditioning Research, 17(4), 822-831.
  3. Lanhers C, et al. (2017). Creatine supplementation and upper limb strength performance: A systematic review and meta-analysis. Sports Medicine, 47(1), 163-173.
  4. Antonio J, Ciccone V. (2013). The effects of pre versus post workout supplementation of creatine monohydrate on body composition and strength. Journal of the International Society of Sports Nutrition, 10, 36.
  5. Kreider RB, et al. (2017). International Society of Sports Nutrition position stand: safety and efficacy of creatine supplementation in exercise, sport, and medicine. Journal of the International Society of Sports Nutrition, 14, 18.
  6. Hall M, Trojian TH. (2013). Creatine supplementation. Current Sports Medicine Reports, 12(4), 240-244.
  7. Avgerinos KI, et al. (2018). Effects of creatine supplementation on cognitive function of healthy individuals. Experimental Gerontology, 108, 166-173.
  8. Forbes SC, et al. (2021). Meta-Analysis Examining the Importance of Creatine Ingestion Strategies on Lean Tissue Mass and Strength in Older Adults. Nutrients, 13(6), 1912.